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PDICでマーカー機能を使う

PDICのマーカー機能の概要

PDIC(Personal Dictionary)は電子辞書を検索したり辞書を作成できるツールで、英辞郎に同梱されているので多くの人が使用していると思います。

 

 

英辞郎 第11版(辞書データVer.159/2020年1月8日版) (<CDーROM>)
 

 

PDICのマーカー機能は、最近のバージョンでは 強調表示 として以下のテキスト修飾が出来ます。 

  • 赤(R)
  • 青(B)
  • 緑(G)
  • 黄(Y)
  • 太字(O)
  • 下線(U)
  • イタリック(I)
  • 打消し線(S)

 

 強調表示 の使い方としては、修飾したい範囲を選択して右クリックメニューから強調表示(G) にカーソルを当てると修飾の一覧が表示されるので、該当のものを選択します。

下のイメージでは、"subsidize" の 【他動-2】 "〔助成金を出して~を〕支援する、援助する" に黄色のマーカーを引いています。

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強調表示の概要

以下は、PDICHELPに記載されている強調表示の概要です。 

 

概要
訳語部・用例部の任意の文字列に、ハイライト(赤・青・緑・黄)や、スタイル(太字・イタリック)の変更、文字飾り(下線・打ち消し線)を行うことができます。

簡易HTML機能でハイライトすることはできますが、この強調機能は読み取り専用の辞書に対してもできるようになります

特徴:

・強調表示をしても辞書への変更はありません
・強調表示した見出し語は自動的に単語帳へも登録されます。
 ※強調表示を削除したとき、単語帳からは削除されません
・辞書の内容に多少変更があっても強調表示は継続されます

 

 

PDICのマーカー機能のメリット

PDICのマーカー機能のメリットの一つは、自動的に単語帳に追加されることにより 

 ・単語帳検索 →  出力 で一覧として表示できるようになる

 ・単語テストの対象となる

など、記憶の定着を助けるツールが有効に活用できるようになることです。

 

 

電子辞書でもマーカーを引いた単語を単語帳に登録出来るものもあるようですが、登録件数の制限があったりタッチペンでの操作なので操作が煩雑だったり一覧として表示できないなど、必ずしも効率がいいとは言えない気がします。

PDICの場合、下のイメージのように単語帳を一覧として表示出来るのでかなり便利です。

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PDICのマーカー機能の不満な点

 私が感じる不満は以下の3点です。

 ① 文字の修飾方法が非常に限定的

 ② 色などが設定からでは変更できない

 ③ 登録内容を変更した場合、修飾も影響を受ける可能性がある

 

 ① 文字の修飾方法が非常に限定的

PDICで設定できる強調表示 は、この内の何れか1つだけです。

例えば、黄色のマーカーを引いたら太字には出来ません

下のイメージのように、既に強調表示として選択してある範囲と少しでも重複して別の強調表示を設定しようとすると、削除という項目しか表示されません。

 

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② 色などが設定からでは変更できない

見出し語や訳語部などの色やフォントはツール→設定(o) から変更出来るけれども、強調表示 の修飾はメニューには存在しないので容易には変更できません。

その上、マーカーの色は一般的なものではありません。

 

上のイメージではマーカーは黄色を選択していますが私の目には黄色というよりは黄土色に見えます。

この色は私の好みではありません。

調べてみると、HTMLカラーコードでは yellow は #ffff00 ですがPDICは #e8e800 を設定していました。

この色の変更はツール→設定(o) からの設定変更や INIファイルレジストリの編集では変更できないようです。

 

どうしても変更したい場合には、 強調表示を保存しているファイル(作業フォルダにある辞書ファイル名に拡張子".hl"をつけたファイル)の内容を書き換えるしかないようです。

以下の一連のイメージでは、"mute" という単語に設定した黄色のマーカー(#e8e800)を #ffff00 に変更しています。

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念の為補足しておきますが、見出し語や訳語部などの色やフォントはツール→設定(o) から変更可能です。

例えば、下のイメージでは文字色を赤(#ff0000)、背景色をクリーム(#ffff80)に設定しています。

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③ 登録内容を変更した場合、修飾も影響を受ける可能性がある

強調表示の概要には "辞書の内容に多少変更があっても強調表示は継続されます" と記載されています。

実際、下のイメージに示すように登録内容に追加や削除を行っても修飾した文字列が保たれている限りは強調表示は維持されるようです。

下のイメージでは2行目の文の途中に "(意識的または意図的に)" という文字列を挿入し、文字列修飾を行った6行目の1行前に "・No one can avoid his destiny. だれも運命は避けられない.
" という例文を追加して文字列修飾を行った行の位置をズラしていますが、強調表示は維持されています。

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一方、下のイメージでは強調表示自体は削除せずに修飾文字列の一部だけを削除(【用法】という文字列から【を削除)しているので強調表示は表示されていません。

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これは、下のイメージに示すように強調表示の設定情報を保持しているファイル(辞書ファイル名に拡張子".hl"をつけたファイル)に装飾対象を文字列として保持しているためです。

 

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従って、この文字列が正しくヒットしない形での登録内容の変更を行うと強調表示は正しく表示されません。

例えば登録されている文字列と同一の文字列を含む文字列を前の行に挿入したり、該当の単語自体を一度削除して新規登録し直したりした場合など。

 

 

 

PDICのマーカー機能の強化

上記の不満点は、PDICの 簡易HTML機能 を使うことで補うことができます。 

下のイメージでは、【名-1】に引いたマーカーが強調表示で【名-3】の黄色のマーカーと太字にした箇所が簡易HTMLです。

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下のイメージでは、英語の例文が小さくて見にくいので文字サイズを大きくしています。

【名-1】は <big>タグで文字サイズを大きくしています。

【名-4】では比較のため例文を3回コピーしてそれぞれのフォントサイズを変えています。

2つ目の例文ではフォントサイズを +1、3つ目の例文は +2 、4つ目の例文は +3しています。

(尤も、+3 する位ならツール→設定(o) から用例部の表示フォントのサイズ自体を大きくするべきかも知れません)

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簡易HTML機能 は修飾したい範囲をHTMLタグで囲みますが、普段からHTMLを意識していない場合はよく使用するHTMLタグをラベルに登録しておくと便利です。

 

 

PDICの 簡易HTML機能 に付いては、PDICで簡易HTMLを使用する で説明しています。

 

尚、簡易HTML機能 を使用して文字修飾を行った場合一つ注意する点があります。

強調表示 を行うと自動的に単語帳に追加されますが、 簡易HTML機能 の場合は修正扱いになるので単語帳には自動的には登録されません。

暗記マークを付加するなどして自力で登録する必要があります。