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PDICで簡易HTMLを使用する

PDIC(Personal Dictionary)は電子辞書を検索したり辞書を作成できるツールで、英辞郎に同梱されているので多くの人が使用していると思います。

 

 

英辞郎 第11版(辞書データVer.159/2020年1月8日版) (<CDーROM>)
 

 

PDIC(Personal Dictionary)では、 訳語部・用例部の任意の文字列に、ハイライト(赤・青・緑・黄)や、スタイル(太字・イタリック)の変更、文字飾り(下線・打ち消し線)を行うことができます(強調表示機能)。

 

この強調表示機能は読み取り専用の辞書にも使用できるので便利ですが、色々不満な点もあります。

例えば、マーカーの色は4種類からしか選べませんが、黄色としているのは yellow("#ffff00") ではなく "#e8e800" です。

また同時に使用できるのは1つだけで、例えば黄色のハイライトを使用するとその部分の文字は太字にしたりアンダーラインを付けたりは出来ません。

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上記の不満点は、簡易HTML機能を使うことで解消できます。

 この機能では、(簡易)HTMLタグを使用して訳語部や用例部などに様々なテキスト修飾を行うことが出来ます(発音記号部を除く)。

 

下のイメージでは【名-1】に引いたマーカーが強調表示で、【名-3】の黄色のマーカーと太字にした箇所が簡易HTMLです。

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下のイメージでは、英語の例文が小さくて見にくいので文字サイズを大きくしています。

【名-1】は <big>タグで文字サイズを大きくしています。

【名-4】では比較のため例文を3回コピーしてそれぞれのフォントサイズを変えています。

2つ目の例文ではフォントサイズを +1、3つ目の例文は +2 、4つ目の例文は +3しています。

(尤も、+3 する位ならツール→設定(o) から用例部の表示フォントのサイズ自体を大きくするべきかも知れません)

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以下に、簡易HTMLの使用方法や問題点などを示しています。

 

 

簡易HTMLの記述

簡易HTMLは通常の html と同様に、修飾する文字列をタグで囲みます。  

下のイメージでは、"bing" の "【名-1】〈米俗〉独房" の文字色を royalblue に、"【名-2】】〈米俗〉麻薬" の文字色を hotpink にそれぞれ変更しています。

 

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                 ⇩

 

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蛇足かも知れませんが、以下が手順です。

① 対象の単語(ここでは "bing")を検索し、見出し語をダブルクリックするかメニューの Edit → 登録語編集(E)をクリックして登録語編集:修正という画面を開きます。

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                   ⇩

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② 修飾する範囲をタグで囲みます。 

例えば、"〈米俗〉麻薬" に黄色のマーカーを引きたいのであれば<span style="background-color:yellow;">〈米俗〉麻薬</span>、太字にしたいのであれば <b>〈米俗〉麻薬</b> といったように。

 

色(カラーコード)は google で "カラーコード" と検索するとHTMLカラーコードの一覧や色見本の辞典など多数見つかりますが、私は検索したり記憶したりするのが面倒なのでカラーネーム(yellow(黄色)、red(赤)など)で済ませています。

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 ③ 左下のOKボタンをクリックすると反映されます

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                   ⇩

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簡易HTML機能で使用可能なタグ

簡易HTML機能で使用可能なタグは以下のとおりです。

<b>Bold</b>

<i>italic</i>

<s>strike-out</s>

<u>UnderLine</u>
<small>small</small>
<big>big</big>
<font color="#FF0000">Red</font>
<font size="+1">Size Up</font>
<span style="background-color:#FF0000;">[Red]</span>
<font bgcolor="#FF0000">[Red]</font> PDIC独自仕様・非推奨
<a href="http://www.google.com/">Google検索</a>
<ex>I have a book.</ex> PDIC独自仕様 用例の表示・非表示に連動して表示
<bx title="短縮表示">展開表示</bx> PDIC独自仕様 マウスクリックで短縮⇔展開表示
&#169; &#xA9; ※UTF16

訳語部マージをOFFにしないと正しく表示されない場合があるようです

 

 

 

 

 

HTMLタグの登録による省力化

使用するたびにHTMLタグを調べたりする手間を省くため、よく使用するタグをラベルに登録したりPDICにメモしておくと便利です。

 

下のイメージは、タグをラベルに登録する例です。



登録は、メニューの Tools → ラベルの編集(L)... をクリックして表示される『ラベルの編集』画面において該当エントリを右クリックすると新規追加や削除、更にはエントリの移動(右へ移動(R)、左へ移動(Z)、上へ移動(U)、下へ移動(D))などの操作ができます。

 


                  ⇓ 右クリック

 

 

                  ⇓ 新規追加(N)をクリック

 

 

エントリが追加されるのでよく使うタグを登録する

 

 

 

 

HTMLタグによる文字修飾

以下は、ラベル登録したHTMLタグを使用して文字修飾を行う例です。

 

対象のワード (下のイメージでは白抜きの "mire")にフォーカスが当たった状態でメニューの Edit → 登録語編集(E)... をクリックし、『登録語編集:修正』画面を開く

 

                  ⇓

 

 

                  ⇓

 



 

 

上記の『登録語編集:修正』画面において、修飾範囲の左端(下のイメージでは【名-2】と窮地の間)にマウスカーソルを置いて右クリックするとラベルの一覧が表示される

                  ⇓

 

 



 

                  ⇓

 



 

                  ⇓

 

 

                  ⇓

 

 

                  ⇓

 

HTMLタグを追加して画面左下のOKボタンをクリックすると反映される

 

                  ⇓

 

属性欄に修正マークが付与されるが単語帳には登録されないので、属性欄の左をクリックして暗記マークを付加しておく

 

 

 

 

簡易HTMLのもう一つのメリット

 簡易HTMLを使用するもう一つのメリットは、強調表示が訳語部・用例部にしか使用できないのに対して見出し語にも使用できることです。

下のイメージの "antiseptic" では訳/用例部の黄色のマーカーが強調表示で、見出し部の3つのマーカーが簡易HTMLによるものです。

  

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この見出し語のマーカーは、フレーズが豊富な 英辞郎 で下のイメージの様に記憶したいものを目立たせる用途に向いているのではないでしょうか。

暗記マークでも同じことができますが、暗記マークの場合はマーク自体の方が目について肝心のフレーズは埋没しているような印象を受けます。

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但し、簡易HTML機能 の説明には『訳語部、用例部に簡易HTMLタグ表示機能があり、HTMLタグを用いて様々なテキストの表現を行うことが出来ます。』と記載されているので、バージョンアップなどで使用できなくなる可能性もあります。 

推測ですが、現在PDICで見出し部に簡易HTMLが使用できるとしていないのは見出し部にHTMLを記載すると単語帳関連の見出し語を検索/選択するような処理の問題や、下のイメージのように単語をクリックした時に word 欄にHTML付きで表示されるなどということがあるからだと思います。

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注意点としては、見出し語欄に html を記述するとキーワード(K) 欄にも同じものが自動的に追加されますが、こちらの html タグは必ず消しておく必要があります。

また、見出し語欄に html を記述した場合、単語帳検索から出力される一覧や単語テストの対象にならない場合があります。

 詳細は PDICで簡易HTMLを見出し部に使用する際の問題点 を参照して下さい。

 

 

 

 

 

 

 

簡易HTML機能 を使用して文字修飾を行った場合のデメリット

通常のHTMLタグと同様に記述ミスや記述の手間などに加えて、現時点ではもう一つ強調表示 に対するデメリットがあります。

強調表示 を行うと自動的に単語帳に追加されますが、簡易HTML機能 でテキストを修飾した場合は単語帳には登録されません。

 

簡易HTML機能 でテキストを修飾すると属性欄に修正マークが付きます。

現在私の使っているPDICのバージョン(Ver.5.12.47)では登録内容を修正して修正マークが付いても履歴には反映されますが単語帳には登録されません。

そこで、単語帳に登録するためには簡易HTML機能 でテキストを修飾した後に修正マークを消し、改めて暗記マークを付ける必要があります

以下のイメージはテキスト修飾から単語テストまでの一連の流れです。

 

PDICで "abduct" を検索

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この時点の単語帳には "abduct" は登録されていない

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"abduct" を 簡易HTML機能 で修飾する

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登録語編集:修正画面を閉じると属性欄に修正マークが付き、修飾が反映されている 

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この時点の単語帳には反映されていない

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属性欄の修正マークをシングルクリックすると修正マークは消える

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"abduct" の属性欄の左側をシングルクリックすると暗記マークが付く(右側半分が修正マーク用)

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この時点で単語帳を見ると "abduct" が登録されている

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 単語帳から単語テストを行うと、きちんとマーカー付きで表示される

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(単語テストを行う前に一度PDICを終了して再立ち上げし変更内容を確実に反映させないと修正直後は表示されないかも知れません)